DSC_0207

突然ですが、これは我が家の猫です。
しかし紹介したいのは猫ではなく、猫が乗っている「キャットタワー」です。

実はこのキャットタワー、先日ある患者様からぜひ、と言われていただいたものです。

この患者様のお宅では、長年猫をかっていらっしゃったのですが、先日、その愛猫ちゃんが15歳で亡くなりました。
「歴代猫を飼い続けてきたけれど、自分たちの年齢を考えると、もう新しい猫を飼うことはできないから、使える人にもらってほしい」
と、もともと猫好き同士、施術の合間に猫談義で盛り上がっていた私に、お声をかけてくださったのです。

本来でしたら患者様からの頂き物はご辞退するべきところなのですが、「誰かに使ってもらうのが亡くなった仔の供養にもなるから」と言われ、ありがたく頂戴しました。

そして、早速、このように我が家の猫たちが大喜びで使わせていただいています。
他にもたくさん写真を撮って患者様にもお見せしたところ、喜んでいただけて、私もいただいてよかったな、と思った次第です。

ですがやはり猫好き同士、患者様が「もう猫は飼えない」とあきらめられたことに、いつか自分にもそんなときが訪れるだろうと思うと、他人ごとではない寂しさを感じてしまいました。

でもそのときふと、先日読んだ本の中に「諦める」という言葉の本来の意味について書いてあったことを思い出しました。

「諦める」とは本来、「あきらかにする」という意味、なんだそうです。

『物事の道理をわきまえることにより、自分の願望が達成されない理由を「あきらか」にし、断念する』

そう考えると、あきらめる、というのは実に前向きで、ある意味「本当の大人」にしかできないことなんだな、と思いました。
そうすると、患者様がなんだかとってもかっこよく見えてきました。

私もいつかそういういかっこいい「本当の大人」になりたいな、とそんな風に思います。

担当-N