人生の大先輩方である患者様たちが口をそろえて

「今までで一番台風で怖い思いをした」

とおっしゃる台風騒ぎも一段落。
いや、被害にあったお宅では屋根の修理が1年待ちなんて言う話も聞きますので、まだまだ大変な方々もいらっしゃると思います。
被災された方々には心から御見舞い申し上げます。

季節はいつの間にか秋。すっかり涼しくなってきましたね。
過ごしやすくなったのはありがたいのですが、皆様、暑かったころと比べてなんだか最近体がかたいなぁ、なんて思われていませんか?

かくいう私もその一人。そして患者様たちも同様です。
皆様、真夏より、明らかに筋肉が硬くなってきています。

これはある意味当たり前のこと。
暑さに耐えるため、体を緩めて体温を放出しまくっていた夏の体が、体を引き締めて体温を外に出しすぎないよう、ちゃんと季節に対応してくれている証拠です。

ですが、そのせいであちこち凝るのはうれしくないですよね。

今日のテーマはコリの代表選手、肩こり。

突然ですが、これは筋肉の図解です。ちなみに後ろ姿。
首、背中、肩、腕~手先にかけて。
肩が凝る人ならこの図を見ると、ああ、私はこの辺が、ああ、ぼくはその辺が、と凝るところが目に浮かぶのはないでしょうか。

この図にはすべての筋肉が描かれているわけではありません。
あるグループの筋肉のみが描かれています。
どんなグループかというと。

「同じ筋膜でおおわれている」グループです。

筋肉というのはまず、一つ一つがそれぞれの筋肉の筋膜という薄い膜でおおわれているのですが。
またいくつかの筋肉を集めてひとまとめにしている筋膜によってパッケージされてもいます。
そして、体の中心と末端をつないでいるのです。

この図はそのつながった筋肉の一つのグループの図、だとご理解ください。

これ、首、肩、背中、腕、手先とずーっとつながっていますよね。

マッサージを受けたことがある方ならお分かりかもしれませんが、私たちマッサージ師は
「肩がこる」と言われている方の、「肩」だけをもむ、ということはまずありません。
首や背中はもちろん、肩から肘、肘から先の部分なんかをしっかりともみほぐすことが多いです。

肩が凝っているとき、というのは肩の筋肉をつつんでいる筋膜も固まっていて、筋肉にピタッとはりついて自由が利かなくなっていることが多いのですが。
そのとき、その硬くなってしまった肩を部分的にもみほぐそうとしても、硬く弾力の失われた筋肉はなかなかほぐれず、逆に筋肉の繊維を痛めてしまう危険性があります。
そんな時、私たちが利用するのが、この同じ筋膜でつながれているほかの筋肉たちです。
同じ筋膜でつつまれているわけですから、その筋肉を刺激すると、当然その刺激は凝りに凝った肩を包んで切る筋膜にも伝わります。
硬くなってしまった肩の筋肉に負担をかけることなく、筋膜をすこし柔らかくしてあげることができる、というわけなのです。

イメージとしては縮んでしまったセーターをきて肩が動きにくいー、というときに、肩の毛糸だけを延ばすより、あちこち全部伸ばした方が、動きやすくなるよね、という感じでしょうか?

あれ、かえってわかりにくい?(;^_^A

ちょっと中途半端な説明になっている自覚はありますが、皆様にお願いです。

もし今度、肩こりでマッサージを受けられることがあったら
「私は肩が凝ってるの!肩だけもんでくれたらいい!」
なんて言わないであげてくださいね。

担当ーN