すっかり秋めいてきましたね。
今年は猛暑や塩害の影響で美しい紅葉がみられないかも、なんてニュースもありますが、それでも紅葉シーズンが楽しみです。

さて、今日は先日久しぶりに会った友人の話を紹介したいとおもいます。

その友人は短大時代の同級生。毎年1回、地方に嫁いだ同じグループの友人の帰省のタイミングで集まるのが恒例になっていました。

ところがここ数年、彼女はその恒例の集まりに参加できず。
実はお母さんが若年性の認知症になって、その介護でなかなか家を空けられない状況が続いていたのです。

そんな彼女と先日、ひょんなことで連絡を取った際、実は7月にお母さんが亡くなった、と教えてくれました。
大腸がんにかかり、見つかった時にはもう末期で手遅れだった、とのこと。
急なことでびっくりでした。

私も去年、母を20年の介護生活の末、見送ったばかりだったので、お悔やみの言葉をお互いかけあったあと、2人で「おつかれさま会」をしようと、久々に会うことになりました。
友人たちは、まだ子育て中の人がほとんどで、同世代の友達の中でも、親の介護を経験しているのは彼女と私だけ。
同じ経験をしたもの同士だからこそ話せることもあり、ランチからお茶、と話は尽きませんでした。

その中で初めて詳しく聞いた彼女の介護の話に、私は正直怒りを覚えました。

彼女は二人兄妹で上にお兄さんがいて、結婚して近くに住んでいました。
でもお兄さんはごくたまにやってきて、一緒にごはんを食べる程度。
介護を手伝う、ということはもちろんなし。
認知症がすすみ、年金だけでは賄えなくなっていた、お母さんの介護にかかる費用についても彼女が補填し、お兄さんからは何の援助もなかったそうです。

「子育てで大変だから、実家に入れるお金なんてない」
「仕事がたいへんだから、介護手伝うなんて無理」

彼女は独身で、もともと実家暮らし。そんな事情も手伝って、お兄さんはすべてを彼女に押し付けていたのです。

果てはお母さんのお葬式や、仏壇の購入の費用まで、彼女が貯金から支払った、というのでさすがにそれはない、と思い
「そんなもん、黙って払ってたらあかん!ちゃんとお兄ちゃんにも払わせなさい!」
と彼女にお説教してしまったのでした(;^_^A

彼女のケースは行き過ぎているかもしれませんし、世の中には家族で助け合って介護をしているおうちもたくさんあるとは思いますが。

でも!やっぱり!まだまだ!介護ってなんとなくですが「女性の仕事」みたいに思われている面が大きいと思います。
だから彼女のお兄さんも(その奥さんも)、さして悪びれず、実家に「妹」が残っているから、まかせておけばいいわ、となったのでは、と。
彼女のお父さんも「娘」がのこっているんだから、と思ったのではないでしょうか。
これが「弟」であり「息子」であれば事態は多少変わっていたのではないか、と私は思わざるを得ません。

また女性の側でも、なんとなく「自分がやらなければならない」と思い込んでしまっているケースも多いような気がします。

彼女の話以外でも、似たような話はこれまでも何度も耳にしました。
なにより私自身、母の介護をしているときに、母が周りの人から「娘がいてよかったわね」と言われているのを耳にしました。
親戚からも「娘が二人もいて、親の介護をしないなんて言語道断」といったことも言われてきました。

もちろん、介護をすること=不幸ではありません。
介護しているからこそ感じる喜びや幸せも確かにあります。

ですがそれは、周辺の人が介護の負担を特定の人に担わせる理由には決してなりません。
介護を担っている人てに、「悪いことばかりではないから、これでいい」と無理やり自分を納得させるようなことがあっては、絶対にいけないと思います。

もし皆さんの周りで似たような状況で介護をしている方がいたり、また今現在介護の真っただ中、という方がいらっしゃいましたら、少し立ち止まって考えていただける機会になれば、と思って、今回はこのような記事を書かせていただきました。

担当ーN