一雨ごとに春めいてくる、今日この頃。
しかし今年は久々にちょっと強めの花粉症になやまされおります。

今日は、今までも何度もブログに書いてきたことではありますが、再度やっぱりそうだよねー、と思った出来事が先日あったので、ご紹介させていただきます。

とある、患者様に施術にうかがった日のこと。
その方は脊髄の病気で下半身に重度の麻痺があります。
そのため、排便や排尿のコントロールが普通の人ととくらべると、むずかしいところがあります。
なぜかというと、排便や排尿をコントロールしている内臓に無意識に指令を与えてくれている神経も麻痺しているからです。

でもその患者さんはご自身の体調を熱心に研究され、お薬の調節で普段はとても上手に管理されているのですが。
たまにお出かけなどの都合でお薬を止めたりすると、そのあとしばらく調子がくるってしまうことがあります。

その日はちょうどそんな日で、あおむけに寝てもらうと、おなかにガスがたまり張っているのが目で見てわかるほどでした。

「お腹張ってますねー」
「そやねん、さすがにくるしいわー」
「これは苦しいでしょう」

と、マッサージ師の私は、ひとまずおなかのマッサージに取り掛かります。
ふれてみると、おなかは見た目どおりパンパン。
たとえて言うなら、空気をいっぱいいっぱいいれたビーチボールのような状態です。

そんな時に、急にぐいぐい圧力を加えると当然余計に苦しいので、初めはごく弱い圧力でやさしくマッサージをはじめます。
するとしばらくして、おなかからガスが出てきました。いわゆる「おなら」ですが、スーッと本当に空気が抜けていくように静かーに長く、抜けていくのがわかりました。

そうするとお腹は当然ながらしぼみます。本当にビーチボールの空気が抜けるような感じなのが、面白いと言っては患者さんに失礼なのですが、患者さん自身も触ってみて「ほんまやな」と笑っていました。

その後うつぶせになったり、横向けになったりして、いつものように全身のマッサージを行い、最後に再度あおむけで足を動かす運動(9割くらいこちらがお手伝いして動かす)を、行った時です。

先ほどとは全く違う勢いで、おならが数発、さく裂しました。

これには二人ともびっくりして笑いました。

やはり運動というのは、自然と体の中身まで動かすことになり、マッサージでは刺激できない体の深ーい部分まで影響を与えることができるんだということを、改めて実感した出来事でした。

もちろん、何でもかんでもめちゃくちゃに動かせばいい、というものではありません。
とくに関節を大きく動かす場合などは、角度や強さによってはじん帯や腱など関節の組織を傷めてしまうこともあるので、そういった運動は専門家にまかせていただきたいのですが。

例えば座ったまま足首を自分で動かして曲げ伸ばしする、とか、膝を曲げ伸ばしたり、上げ下げしたり、こういった運動でも、じつはおなかの中まで刺激を与えることができるのです。
これは、体の構造上そうなる、というとても理論的に説明できることでもあります。
理屈がわかるとやる気がでる、ということもある、のでぜひ知っておいていただきたく、今日はそんな話をご紹介させていただきました。

担当ーN