伺っているお宅に、市役所の年金保険課を名乗って電話がかかってきたそうです。
「還付金があるので、取引銀行を教えてください。」
「(還付金があるほど払ったかしら?と思いながらも)○○銀行です。」
「では、後程○○銀行の担当者から電話が入りますので、指示に従ってください。」
15分ほどして今度は○○銀行を名乗る電話がかかってきたそうです。
「還付金の期限が今日までなので、急いで駅前の銀行の1階のATMまで来てください。」
「私、足が悪くて歩いてはいけませんわ。」
「タクシーに乗ってでもなんでもいいから、駅まで来てください。着いたらお迎えに行きますのでこの番号に電話をしてください。」と言って090で始まる番号を言ったそうです。
「それ、携帯ですか?」
「いえ、フリーダイヤルです。」
「(おかしいと思いつつ)わかりました。」
と言って電話を切られたそうです。
他にも不審に思われる事があったので、近くに住む息子さんにすぐ連絡。
息子さんはすっとんで来られたそうです。
そして警察に連絡。
警察の方では、その番号での被害の届けがたくさん出ていて、裁判になっているものもあるとの話をされ、こちらの携帯番号を教えていないことで今後事件が発展しないと判断し、電話で名前と生年月日を聞かれたそうです。
「生年月日は、大正…」と言われると「大正ですか。すごいですね。」と大層感心されたそうで「私、これでもちょっとしっかりしてますやろ。」と言ったと笑って言われていまいした。
そういえば、この方は、以前、不用品回収のセールスが、「こんなんでは帰られへん。もっと宝石とか貴金属とかないんかいっ!」と態度を豹変させてすごんだ時も、動じず来ていたヘルパーさんと一緒に追い返した経験をお持ちの方でした。
その時ももちろん警察に通報されていました。
不用品のセールスが途中から」態度を豹変させた話はほかのお宅でも何度か聞いたことがあります。
これだけ報道もされ、注意を促されても、判断力の鈍ったお年寄りが被害に遭う悪質な犯罪は後をたちません。
私も含め、他人ごとではない意識を持つこと、被害に遭ったり、おかしいと思ったら、近くの人に(警察や、消費者センターも含め)相談することも大切なことだと思います。
そしてなによりうらやましいのは、90歳を過ぎて的確な判断が出来る頭脳をお持ちのこの奥様です。あー、あやかりたい!!!
担当-H