先日「プレセミナーに参加しました」とブログ記事にもあげさせてもらった脳卒中の方のためのリハビリ講習会。9月の終わりから本格的にスタートしました。

第1回目は寝返りをどれくらいスムーズにできるようになるか、という実技を集中的に行いました。おそらく、ウン十年の人生の中で、一番「寝返り」を意識して行った一日でした。何度も何度もコロコロ、コロコロ。大の大人が10人、床に転がり続ける姿は、事情を知らない方からみたらかなり異様な光景だったと思います(;^_^A

なぜそんなに何度もコロコロしていたか?それは寝返りという動作を行うとき、「どのような感覚刺激をうけているのか」ということを感じるため、です。

私たちは日ごろたくさんの感覚刺激を受けていますが、それを「意識する」ことはあまりありません。いちいち意識してたら、ほかの大事なことができないから、無意識のうちに脳が取捨選択して、処理してくれて、その結果うまく体をコントロールしてくれているのです。

たとえば、坂道などの斜面に立っているときは、無意識でそれを感じ取り、筋肉を動かし体の角度を調節して、倒れないようにしてくれたりしています。

脳卒中で脳や神経の一部に損傷を受けてしまった方、というのはその感覚刺激を受け取るところや、感覚を受けて筋肉を動かす命令をするところ、が一部壊れている状態、なのです。

先ほどのたとえで言うなら、斜面に立っていても、その角度に合わせて筋肉を動かすことができない、もしくは、斜面に立っているのか、平面に立っているのかを「正しく感じられない」のです。

この講習会で教わるリハビリでは、この「正しく感じること」に注目して、その能力を取り戻す、ということに重点をおいています。その点で今までのリハビリとは違うのかなぁ、というのが1回目を受けてみてのか私個人の感想です。今までのリハビリはどちらかというと「正しく筋肉を動かすこと」や「衰えてしまった筋肉を鍛えること」に重点が置かれているようにおもいます。

そういうわけで、正直、今までの自分が行ってきたリハビリマッサージとは、患者さんへのアプローチ方法が全く異なります。

でも、どちらも「患者さんが体を少しでも楽にうごかせるようになる」という目的は同じです。

ひとまず、ちゃんと理解して、ちゃんと実践できるよう、しっかり勉強しなければ!と、自分に気合を入れなおしてがんばります。

担当ーN