私には兄が二人います。
夏の終わりに上の兄の子供である甥が結婚しました。

新郎である甥の母親(私から言うと義姉)は今年3月急な病で倒れ、4月にあっけなく亡くなってしまいました。
一時は、結婚は延期になってしまうのかと案じましたが、当の本人である甥に訊ねると
「(結婚は予定通り)変わりないで。」と言う返事の通り、無事結婚式、披露宴と行われました。

披露宴の最中に下の兄と話したことは、「若い時に出席した結婚式と気持ちが全然違うなあ」でした。
若い時は、少しおめかしして、お祝いの席にいて、結婚する二人の事を考えていましたが、
今回は、初めてお会いした新婦の親族の方々と「ああ、これからはこの方々と親戚になるんだなあ。甥をよろしくお願いします。」
という気持ちや、「いいことばかりでなく、いろいろ大変な事も起こるだろうけど、どうかどうか乗り越えていける二人でありますように。」と祈るような気持ちになりました。こんな感情になったのは初めてでした。義姉がいればこんな気持ちにはならなかったと思います。

ふと考えると、普段接している高齢の患者さんには、大抵子供さんやお孫さんがおられます。
私は、甥でしたが、みなさんご自分の子供さんの子育てや結婚を経験され、私の感じたような思いはもう経験されてこられているのだなと改めて気が付きました。
よく話される患者さんや、あまり話されない患者さん、いろんな方がおられますが、みなさんの心の底にはどんな思いがあるのかなあなどと、考えてもわからないことをつい考えてしまいました。

担当ーH