今年から、我が家のディスプレイスペースにはこのお雛様がお目見えしました。
我が家は姉妹二人暮らし。
どちらも嫁にはいっていないので、毎年お雛様をかざっています!
というわけではありません(;^_^A
どこのおうちにもある話だとは思いますが、女の子も大人になると、お雛様って飾らなくなりますよね。
我が家も例にもれず、もう十数年、ひな人形は箱に入れたまま、時々防虫剤を入れ替える程度で放置状態でした。
しかも大きすぎて保管場所に困り、もう誰も住んでいない亡くなった祖母の家に置かせてもらっていたという有様だったのです。
ずーっと気になってはいたものの、なんとなく、そのまま。
ですが、去年、その祖母の家を処分することになりました。
それを機にお雛様をどうするか、改めて考えることに。
自宅に持ち帰り、数年ぶりにご対面。
カビとホコリの混じった独特のにおいのする箱から現れたお雛様は、昔と変わらずうっすら笑顔でした。
子供のころ、毎年ウキウキしながら飾りつけをしていたこと、よそのお人形より細面で美人なのが自慢だったこと、などいろいろな想い出がよみがえりました。
それと同時に、雛人形、というものの作りのすばらしさ、というものに改めて感心もしました。
顔、髪の毛、着物、数十年経っても色あせない美しさ。
当初は人形供養に出そうか、とも思っていましたが「手放すのが惜しい」とその時に思いました。
しかし、実際に取り出して2体のお人形を並べてみると、うーん、どうにも、デカイ。
どうしても美しく飾るスペースが確保できません。
そこで、なんとか小さくリフォームすることはできないものか、といろいろ検索
そこで「想い出雛」というものを見つけました。
問い合わせてみると、雛人形の袖のところの着物だけを使って木目込み人形に仕上げ、残ったお人形の部分は供養に出します、とのこと。
要は顔や体は全く新しいものになってしまうようだったので、美人の顔がのこらないのはなぁ、と悩みました。
ですが2体合わせて30センチのかわいいサイズにしてもらえて、着物だけでも残すことができ、価格もまぁ新しいお人形を買ったと思えば無理のない範囲だったので、リフォームをお願いすることにしました。
というわけで、今年から我が家の玄関ディスプレイコーナーにお目見えしたこのお雛様。
30センチ幅の台座に収まるかわいさです。
でも数十年、箱に入れられたまま目にすることのなかった着物の一部だけでも、今、明るい光の下で再び見ることができて、ほんとによかったなぁ、と思います。
お客様にも「かわいいねぇ」とほめていただけて、いろいろな人に目にしてもらって、お人形も喜んでいるような気がします。
着物の柄にじっと注目して眺めると、昔のことを懐かしく思い出すこともでき、いやぁ、ほんとによかった。
自分の選択を毎日自画自賛しています(笑)
もうすぐ3月。
今日、患者様のおうちでもお雛様を拝見しました。
今は寝たきりのお母さまが、娘さんのために選ばれただろう、立ち姿の少し変わったお雛様。
美しく飾られていて、とても大事にされているんだなぁ、と思いました。
すべての患者様が、それぞれの想い出をお持ちなんだな、と当たり前のことに改めて気づくことができた今年の春なのでした。
担当ーN